暗号資産のステーキングの年率は、各社が独自の基準で公表しています。手数料を引く前の数字を載せている会社と、引いた後の数字を載せている会社があり、さらに報酬の原資である新規発行の影響も銘柄ごとに違います。
このページでは、その2つを両方調整した数字で並べています。各社の公式ページと各ブロックチェーンの公式データを、毎日確認しています。
先に結論
額面がいちばん低いイーサリアム(ETH)は、実際の手取りで見ると17銘柄中3位まで上がります。逆に額面3位のフレア(FLR)や4位のオアシス(OAS)は、発行データがまだ揃っていないため判定を保留しています。条件を揃えると、順位はかなり動きます。
実際にどれだけ増えるか(希薄化調整後)
手数料を引いたあとの年率から、さらにその通貨が1年で新しく発行される率を差し引いた数字です。自分の持ち分が本当に増えるペースを表します。
| 順位 | 銘柄 | 手取り年率 | 新規発行率 | 希薄化調整後 | 額面の順位 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | コスモス(ATOM) | 14.00% | 10.00% | +3.64% | 1位 → |
| 2 | イーサリアム(ETH) | 2.00% | 0.82% | +1.17% | 12位 ↑10 |
| 3 | ニアー(NEAR) | 3.53% | 2.50% | +1.00% | 8位 ↑5 |
| 4 | スイ(SUI) | 0.90% | 0.00% | +0.90% | 15位 ↑11 |
| 5 | ソラナ(SOL) | 4.00% | 3.61% | +0.37% | 6位 ↑1 |
| 6 | カルダノ(ADA) | 1.45% | 2.00% | −0.54% | 13位 ↑7 |
カルダノ(ADA)だけマイナスです
年1.40%の報酬をもらっても、通貨のほうが年2.06%増えているので、持ち分の比率は減っていきます。ステーキングしない人はもっと減るので「やらないよりはまし」ですが、増える話ではありません。
なぜ額面と順位が違うのか
理由1:取引所が報酬の一部を取る
SBI VCトレードが「年率18.4%」と出しているのはコスモス(ATOM)の数字ですが、これは取引所が受け取った実績です。利用者に渡るのはその75%で、同社のページにもそう書かれています。
年率18.4% × 75% = 13.8% がお客様の受取
GMOコインは手数料を引いた後の数字を公表しているので、そのまま使えます。ただし引く割合は銘柄ごとに違い、72%〜96%とかなり幅があります。各社を並べるときは、この差を揃えないと比較になりません。
理由2:報酬の原資は「新しく発行された通貨」
ステーキング報酬は、どこかから運ばれてくるお金ではありません。多くはその場で新しく発行された通貨です。株でいえば、毎年少しずつ増資している会社の株を持っているような状態です。
だから「もらった量」から「増えた量」を引かないと、実際に増えたことになりません。イーサリアムが上位に来るのは、手数料の一部を焼却する仕組みがあって発行がほとんど増えていない(年0.80%)からです。
手数料を引いた後の年率一覧
17銘柄すべての、手数料控除後の年率です。SBI VCトレード・GMOコイン・bitbankで扱う銘柄が違います。
| 銘柄 | SBI VCトレード | GMOコイン | 有利なのは | 希薄化調整後 |
|---|---|---|---|---|
| コスモス(ATOM) | 12.30% | 14.00% | GMOコイン | +3.64% |
| トンコイン(TON) | 8.18% | — | SBI VCトレードのみ | 未対応 |
| フレア(FLR) | 5.33% | — | SBI VCトレードのみ | 集計中 |
| アスター(ASTR) | — | 4.73% | GMOコインのみ | 集計中 |
| エックスディーシー(XDC) | 4.58% | — | SBI VCトレードのみ | 集計中 |
| ソラナ(SOL) | 3.30% | 4.00% | GMOコイン | +0.37% |
| アルゴランド(ALGO) | 3.90% | — | SBI VCトレードのみ | 集計中 |
| ニアー(NEAR) | 3.53% | — | SBI VCトレードのみ | +1.00% |
| アバランチ(AVAX) | 3.08% | — | SBI VCトレードのみ | 集計中 |
| ポルカドット(DOT) | 2.17% | 1.90% | SBI VCトレード | 集計中 |
| トロン(TRX) | 2.10% | — | SBI VCトレードのみ | 未対応 |
| イーサリアム(ETH) | 1.88% | 2.00% | GMOコイン | +1.17% |
| カルダノ(ADA) | 1.43% | 1.45% | GMOコイン | −0.54% |
| ヘデラ(HBAR) | 1.43% | — | SBI VCトレードのみ | 集計中 |
| スイ(SUI) | 0.90% | — | SBI VCトレードのみ | +0.90% |
「希薄化調整後」の欄の見方:集計中=そのチェーンの新規発行率をいま記録している最中です(記録開始から90日で確定するので、2026年11月ごろに数字が入ります)。未対応=新規発行率を公式の経路から取得できていないため、調整後の数字は出していません。取れるようになりしだい追加します。
データ更新日:2026年10月9日
取扱銘柄の数は圧倒的にSBI VCトレード
利回りではGMOコインが有利な銘柄が多いのですが、扱っている銘柄の数はSBI VCトレードが16、GMOコインが6です。GMOコインにしかないのはアスター(ASTR)だけです。
両社に共通する5銘柄(ETH・SOL・ATOM・ADA・DOT)はすべてGMOコインのほうが手取りで有利でした。逆にトンコインやフレアなど、SBI VCトレードにしかない銘柄も11あります。
共通銘柄だけを持つならGMOコイン、銘柄を選びたいならSBI VCトレード。どちらも口座維持の費用はかからないので、両方持っておいて銘柄ごとに置き場所を変えるのがいちばん取りこぼしがありません。
3社に共通する条件
| 項目 | SBI VCトレード | GMOコイン | bitbank |
|---|---|---|---|
| 申し込み | 不要(持っているだけ) | 不要(持っているだけ) | 受取設定をONにする |
| ロック期間 | なし | なし | なし |
| 途中で売れるか | いつでも可 | いつでも可 | いつでも可 |
| 分別管理 | 対象 | 対象 | 対象 |
| 手数料 | 報酬の25%(全銘柄一律) | 報酬の最大28%(銘柄ごとに変動) | 報酬の30%(ETH) |
| 取扱銘柄数 | 16 | 6 | 1 |
3社とも、いつでも売れて、分別管理の対象です。bitbankだけは受取設定をONにする必要があります(ONにしないと報酬は付与されません)。持っている通貨が対象銘柄なら、設定をしない理由がありません。何もしないと、発行によって持ち分が薄まる側に回るだけです。
イーサリアムは、bitbankを加えた3社で比べられます
bitbankもステーキングを提供しています。対象はイーサリアム(ETH)の1銘柄だけで、報酬は毎週月曜に付与され、ロック期間はありません。
bitbankは2つの数字を公表しています。ひとつはステーキング年率2.83%(beaconcha.in の ETH.STORE® 2025年12月31日の値を参照した参考値)、もうひとつは手数料を引いたあとのお客様利回り1.78%です。当サイトの一覧では、後者(手数料控除後)を採用しています。
公表の手数料率だけでは、手取りは出せません
公表されている手数料率は30%です。参考年率2.83%から30%を引くと1.98%になりますが、実際に公表されているお客様利回りは1.78%です。参考値と、その取引所が実際に受け取る報酬は同じではないからです。手数料率から逆算するのではなく、公表されている控除後の数字を使う——このサイトが年率を並べるときに揃えているのは、こういう条件です。
イーサリアムの手取り年率を3社で並べると、2026年8月31日時点では GMOコイン 2.00%、SBI VCトレード 1.95%、bitbank 1.78% の順でした。ただし年率の性格は3社で少しずつ違い、SBI VCトレードは取引所の実績値に掛け目を掛けたもの、GMOコインは月次の実績、bitbankは外部指標を参照した参考値です。同じ「年率」でも、出どころが違う点はおさえておいてください。
この数字の作り方
読んだ人が同じ計算をたどれるように、定義と出どころを書いておきます。
手取り年率=取引所が手数料を引いたあとの年率
SBI VCトレードは公表値に掛け目75%を掛けて算出。GMOコイン・bitbankは公表されている控除後の値をそのまま使用。
新規発行率=そのブロックチェーンが1年に新しく発行する量 ÷ 総発行量
ロック解除(すでに存在する通貨の拘束が解けること)は新規発行に含めません。
希薄化調整後利回り=(1+手取り年率) ÷ (1+新規発行率) − 1
出どころ
- 年率:SBI VCトレード・GMOコイン・bitbankの公式ページ・公開データ
- 新規発行率:各ブロックチェーンの公式データ
- スイ(SUI)は総発行量が100億枚で固定され、報酬は既発行分から配られるため発行率0%としています(Sui公式ドキュメントで確認)
もっと基本から知りたい方へ
- この表を1画面で見る(データボード)
- 暗号資産を買ったまま置いていませんか
- ステーキングとは? 仕組みを3分で
- 株の配当と何が違うのか
- 希薄化とは? なぜ利回りから引くのか
- 年2%なら高配当株のほうがよくないですか?
口座を開くなら
利回りで選ぶならGMOコイン、銘柄の選択肢で選ぶならSBI VCトレード、イーサリアムだけを置くならbitbankという選択肢もあります。いずれも口座の維持費はかかりません。
bitbank
取扱はイーサリアム(ETH)1銘柄。報酬は毎週月曜に付与され、ロック期間はありません。手数料は報酬の30%。受け取るには受取設定をONにする必要があります。
本ページは情報提供を目的としたもので、特定の暗号資産の売買を推奨するものではありません。暗号資産は価格変動が大きく、元本が保証されるものではありません。表示している年率は過去の実績または各社の公表値(bitbankは外部指標を参照した参考値)であり、将来の受取額を約束するものではありません。取引の判断はご自身の責任でお願いします。