「持っているだけでお金が入ってくる」と聞くと、株の配当を思い浮かべる方が多いと思います。実際よく似ているのですが、中身はかなり違います。
株の配当に慣れている人ほど、そのつもりで見ると足元をすくわれます。違いを4つに絞って説明します。
| 株の配当 | ステーキング報酬 | |
|---|---|---|
| お金の出どころ | 企業が稼いだ利益 | 新しく発行された通貨 |
| 受け取る形 | 日本円 | その通貨そのもの |
| 誰がもらえるか | 株主全員 | 参加した人だけ |
| 税金 | 申告分離課税 20.315% | 原則は雑所得(総合課税) |
違い1:お金の出どころが「利益」ではない
これが最大の違いです。
企業の配当は、その会社が商品を売って稼いだ利益の一部です。外から入ってきたお金を株主に分けています。だから配当を出しても、1株あたりの価値が薄まることはありません。
ステーキング報酬の主な原資は新しく発行された通貨です。外からお金が入ってきたわけではなく、通貨の総量が増えて、その増えた分が配られています。
つまり——もらった人の枚数は増えますが、通貨全体も増えています。持ち分の比率で見ると、額面ほどは増えていません。
違い2:日本円では受け取れない
高配当株なら、配当金は証券口座に円で入ります。そのまま生活費に回せます。
ステーキング報酬はその通貨のまま入ります。イーサリアムをステーキングすればイーサリアムが増えるだけで、円にするには売る必要があります。
「配当で暮らす」という発想は、ステーキングでは成り立ちません。増えるのは枚数であって、使えるお金ではないからです。
違い3:参加した人にしか配られない
株の配当は、株主名簿に載っていれば自動的に全員がもらえます。何もしなくても入ってきます。
ステーキングは違います。受け取り設定をONにした人だけが対象です。設定していない人には1円も配られません。
そして通貨全体は増えているので、参加しなかった人は持ち分の比率が減ります。株にたとえるなら「参加した株主にだけ配る株式配当」に近い。株式にはそんな制度がないので、ここは暗号資産に特有の仕組みです。
だからステーキングの本質は「増やす」よりも「薄まる側に回らない」ことにあります。持っているのに設定していない状態が、いちばん損です。
違い4:税金の仕組みが違う
株の配当は申告分離課税で、税率は一律20.315%です。源泉徴収ありの特定口座なら申告も不要です。
ステーキング報酬は、原則として雑所得として扱われます。他の所得と合算する総合課税なので、所得が多い人ほど税率が上がります。しかも受け取った時点で課税対象になり、売っていなくても申告が必要になる場合があります。
ここは金額に直結するところなので、別の記事で詳しく扱います。
では、高配当株の代わりになるのか
結論から言うと、なりません。
イーサリアムの手取り年率は2.0%で、日本の高配当株(4〜5%)に負けています。円で受け取れず、税制も不利です。インカムを目的にするなら、素直に高配当株を買ったほうがいい。
コスモス(ATOM)のように13.9%という銘柄もありますが、そちらは通貨自体の値動きが株とは桁違いです。年13%もらっても、価格が半分になればそれを上回る影響が出ます。
ステーキングは「買う理由」にはならず、「持っているものをどうするか」の話です。ここを取り違えなければ、使いどころのある仕組みです。
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同じ銘柄でも、どこに置くかで手取りが変わります。17銘柄について、手数料を引いた後の年率と希薄化調整後の利回りを並べました。SBI VCトレードとGMOコインの両方が扱う5銘柄は、すべてGMOコインのほうが手取りで有利という結果です。イーサリアム(ETH)は、bitbankを加えた3社で比べられます。
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本ページは情報提供を目的としたもので、特定の暗号資産の売買を推奨するものではありません。税務の取り扱いは個々の状況により異なります。具体的な判断は国税庁の公表資料をご確認のうえ、必要に応じて税理士等の専門家にご相談ください。