年2%なら高配当株のほうがよくないですか?|正直にお答えします

イーサリアムのステーキング利回りは、手数料を引いて年2.0%です。日本の高配当株なら4〜5%は珍しくありません。

「それなら高配当株のほうがよくないですか」——もっともな疑問です。先に答えを言うと、インカムを目的にするなら、そのとおりです。

正直に並べます

利回りの目安 元本 円で受取 税率
銀行預金 〜0.数% 保護あり ○ 20.315%
個人向け国債 1%前後 保証あり ○ 20.315%
日本の高配当株 4〜5% 変動(±30%程度) ○ 20.315%
ETHステーキング 2.0% 変動(±70%も) × 雑所得

利回りで負け、元本の安定で負け、受け取りやすさで負け、税制でも負けています。「安全に年2%が欲しい」という目的なら、ステーキングを選ぶ理由はひとつもありません。

「配当2%のグロース株みたいなもの」ではないか

インカムが主役ではなく値上がりが主役、という意味では、その理解は半分正しいです。ただ、決定的に違う点が3つあります。

1. 報酬の原資が利益ではない

グロース株の配当は、会社が稼いだ利益の分配です。ステーキング報酬の主な原資は新しく発行された通貨で、外からお金が入ってきたわけではありません。

だから性格は「利息」ではなく「希薄化に対する防衛」に近い。増える話というより、やらないと薄まる話です。

→ 詳しく:希薄化とは?

2. 円にならない

配当は円で入ります。ステーキング報酬は通貨のまま入るので、売らないと使えません。「配当で生活費を賄う」という発想は成り立ちません。

3. 税制が不利

高配当株の配当は申告分離課税で一律20.315%。ステーキング報酬は原則として雑所得で、他の所得と合算する総合課税です。しかも売っていなくても、受け取った時点で課税対象になります。

「それなら結局プラマイゼロでは?」

鋭い疑問です。実際、ほぼゼロの銘柄もあります。

コスモス(ATOM)は年13.9%の報酬がつきますが、通貨自体が年10%増えています。差し引きで実質3.5%。額面の4分の1です。

カルダノ(ADA)に至っては、報酬1.40%に対して発行2.06%なので、持ち分は減っています。

ただし完全にゼロにはなりません。新しく発行された分は、ステーキングした人にだけ配られるからです。希薄化は全員が被り、報酬は参加者だけがもらう。差がつくのはそこです。

つまりステーキングは、参加しなかった人から参加した人への移転です。だから「増やす手段」としては期待外れでも、「持っているなら必ずやるべきこと」ではあります。

では、何のためにあるのか

ステーキングは投資先ではありません。保有方法です。

  • 暗号資産を買う理由にはならない
  • 買うと決めたあとの話
  • 持っていない人が始める動機にはならない

逆に、すでに持っていて当分売らないなら、話は変わります。申込は不要、ロック期間なし、いつでも売れて、分別管理の対象。コストが「何もしないこと」だけなので、やらない理由が存在しません。

それでも銀行預金のほうがいい人

はっきり書いておきます。暗号資産を持っていない人にとっては、預金のほうが合理的です。

年2%のために価格変動±70%の資産を買うのは、目的と手段が釣り合っていません。当サイトは比較表を出していますが、それは「どれを買うか」の表ではなく「持っているものをどこに置くか」の表です。

すでに暗号資産をお持ちで、取引所に寝かせたままなら、設定を確認する価値があります。そうでなければ、このサイトは読み飛ばしていただいて構いません。

ステーキングでお得な「置き場所」はこちら

同じ銘柄でも、どこに置くかで手取りが変わります。17銘柄について、手数料を引いた後の年率と希薄化調整後の利回りを並べました。SBI VCトレードとGMOコインの両方が扱う5銘柄は、すべてGMOコインのほうが手取りで有利という結果です。イーサリアム(ETH)は、bitbankを加えた3社で比べられます。

→ 17銘柄の比較表と、口座の選び方を見る

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本ページは情報提供を目的としたもので、特定の暗号資産の売買を推奨するものではありません。掲載している利回りは各社の公表値または実績であり、将来の受取額を約束するものではありません。税務の取り扱いは個々の状況により異なります。